急襲戦隊ダンジジャー







「どうやら此処が基地の中枢のようですねぇ…」
「案外簡単に侵入出来ましたわね。
 もっと歯ごたえがあるのかと思っていましたわ」
「…誰が警備を破ったと思ってやがるんですか。
 お姫さん(おひいさん)は何もしてねぇでしょう…」
「…べ、別に!姫が手を出すまでもないと思ったんですもの!」
「てめぇら、なぁにごちゃごちゃ言ってんだぁ?
 侵入出来たんだから、んなこと別にどうでもいいだろーが」
「…阿呆は黙っていて下せぇ…」
「んだと!?この河童野郎!」
「お二人とも静かにして下さいな。見つかったらどうするおつもりですの?」
「んなもん、俺様たち、ワルカー三傑の力を見せつけるまでよ!なぁ、千草?」
「蘇芳に同意するのは癪にさわりますが…異論はありやせんね…」
「まぁ、俺様たちに敵う奴なんて、いねぇと思うけどな!
 それとも、桃は怖ぇのか?安心しろ、俺様がちゃぁんと守ってやっからよ」
「別に怖くありませんわ!それに、姫は守られるような女ではなくてよ!」


「ふむ…ようやく制圧できたようであるな」
「瑠璃さま!」
「瑠璃之丞さま!」
「総統!」
「蘇芳、桃華、千草、皆ご苦労であったな」
「勿体なきお言葉!」
「さて…ではここでダンジジャーを待つとしようかの…」


「お前たち!そこまでだ!」
「…ようやく来たようであるな。待ちくたびれたぞ、ダンジジャー…」
「どうやらずいぶん余裕のようだな。
 だが、俺達が来たからにはもう好き勝手させな…
 って、お茶してるー!?余裕出し過ぎだろ、何なんだお前たちー!?」
「そう、カッカするでない。よい緑茶が手に入ったのでな。
 そういえば、其方たちに逢うのは初めてであるな。お前たち、自己紹介をしてやるとよいぞ」
「…自己紹介してくれるなんて、親切な奴らだな…」


「聞いて驚けダンジジャーども!
 俺様たちが、ワルカー総統・直属部隊、
 ワルカー三傑が一人、不知火の蘇芳!」
「同じく!ワルカー三傑が一人、山姫の桃華!」
「同じく…ワルカー三傑が一人、ひょうすべの千草」
「そして、この方こそが、ワルカー総統…瑠璃之丞さまだぁ! 」
「うむ、瑠璃之丞である。よろしく頼むぞ、ダンジジャー」


「親切に自己紹介してもらったところ悪いが、
 俺たちはお前たちと馴れ合う気はない。
 このままイタズラを続けるのであれば、容赦はしない…!」
「あら?そのお言葉、そっくりそのままお返ししますわ!」
「???どういう意味だよー!
 おれたちの九州でいたずらばっかしてんのはお前たちのほうだろー!?」
「姫たちにとって、オイタしているのはあなたたちの方だ、と言っているのです。
 我らワルカーの理想を遂げるためには、あなたたちは邪魔だということですわ」
「…あなたたちにも、あなたたちなりの戦う理由がある…ということですか」
「おや?阿呆ばかりの集団かと思っていやしたが、
 なかなか話がわかる奴もいるようですねぇ」
「御託はいい。お前たちの目的は何だ…?」
「おいおい…それをあっさり話しちまうと思うかぁ?
 それに、俺様たちの目的は、てめぇらに話せるような、薄っぺらいもんじゃねぇんだよ」
「理由は何にせよ、俺たちにも譲れないものはある。
 これからも悪さを続ける気なら、お前たちは俺たちにとって、敵ということになる」
「何を今さら言ってやがるんですか。もう何百年も敵対しているじゃねぇですか」
「そうですわよ。こちらとて、今さら譲る気なんてさらさらありませんわ」
「総統の封印を解くのにすげぇ時間食っちまったしなぁ…」
「…!そうだ、封印!お前ら、どうやって封印を解いたんだ!?」
「だーかーら、それを話すとでも思ってんのかよ?企業秘密ってやつだよ、企業秘密!」
「それに、いくら強固な封印と言えど、時間(とき)が経てば綻ぶのは当然…
 完全な封印なんて、ありませんのよ?」
「言ってみれば、封印なんて、我々からしてみれば意味のないものですよ。
 毎度御苦労なことですねぇ」


「あれだな、言葉で言ってもわっかんねぇみたいだし?
 俺様たちの力を見せつけた方が手っ取り早いかもしんねぇなぁ」
「敵に手の内を早々に見せるのは気が進みやせんけどねぇ」
「…そうですわ!せっかくですし、
 この子たちに瑠璃さまのお力を見せて差し上げてはいかがでしょう?」
「ふむ、そうであるな。久方ぶりに、本気を出してみようかの。
 …と言いたいところであるが…そろそろ『てれびどらま』の再放送の時間ではないか。
 …帰るとしようかの」
「おや、もうそんな時間ですか」
「あーなら仕方ねぇなぁ…もうちょっと遊びたかったけどよぉ」
「毎日楽しみにされていますものね」
「ということだ、また逢おうぞ、ダンジジャー」
「次にお逢いする時を楽しみにしていますわ」
「今度逢う時は俺様の剣技を見せてやっから、首洗って待ってろよぉ!」
「そういうことなんで、これからは本気を出させて頂きやす。
 まぁ、せいぜい足掻いて下せぇ」


「普通に帰って行ったけど…あんなのがオレたちの敵なのかよ…!」
「想像していたのと相当違ったな」
「ああ…強そうだったな」
「ボクたち、修行とかしておいた方が良いかもしれませんね…!」
「おや?それでは地獄の特訓メニューを組みましょうか?」
「え?なにそれ、こはっくん…こわい…」
「急にハードな修行とかはやめろよ、体を壊したら元も子もないしな」
「ワルカーたちが何をしようとしているのかは分からないけど、
 止められるのはオレたちしかいない…
 みんなの力を合わせて、ワルカーたちの野望をくい止めるぞ!」