第十五回：「なぜなにワルカー！」

		「つぅことで、こないだの続きはじめるぞぉ」
		「この間の続き…？何の事です？」
		「そういえば、質問の答えが途中でしたわね」
		「あぁ…あれですか…」
		「お前たち、何をしている…！早く始めようぞ！」
		「（総統…張り切ってんなぁ…）」

		「んじゃぁまずは、この質問からだぜぇ」

【瑠璃之丞様が最近はまっている”てれびどらま”って？】

		「瑠璃さまがはまっている“どらま”って確か…」
		「今も昔も“じだいげき”とやらが好きである」
		「あの“サムライ”が出てくるやつっすよねぇ！あれ、かっけぇよなぁ！」
		「あぁ…あれは自分も好きですねぇ」
		「姫も大好きですわ！とっても面白いですわよね！」
		「しかし最近その“じだいげき”とやらの“ほうそう”が 　減ってきているようなのだ…」
		「それは由々しき問題ですねぇ」
		「あんなに面白い“どらま”を減らしてしまうなんて… 　人間の考えることは分かりませんわね」
		「どうやら“せんもんちゃんねる”というものがあるそうなのだが、 　我らの“てれび”では映らないのだ…残念である…」
		「“せんもんちゃんねる”ですか… 　　分かりやした。自分がなんとかしてみやしょう」
		「本当か千草！よろしく頼むぞ！」
		「まかせて下せぇ」

		「“せんもんちゃんねる”か…楽しみだなぁ… 　んじゃぁ、次の質問行くぜぇ！」

【みんなが好きな言葉って何？】

		「好きな言葉…ですか…」
		「俺様は“打ち込む態勢をつくるのが先で、剣はそれに従うものだ。”だなぁ！」
		「おや、蘇芳にしては、随分と難しい言葉を知っているんですねぇ」
		「おい千草ぁ…馬鹿にしてんのかぁ？」
		「いえ、別にそんなつもりはありやせんでしたよ」
		「（ぜってぇ馬鹿にしてる…）」
		「おぉ、何やら聞いたことがあるぞ。 　確か…宮本のなんとかの言葉であったな」
		「あら、そうでしたのね。 　蘇芳はその…宮本さん？がお好きですものね」
		「好きっつぅか、尊敬してるっつぅか…まぁそんなとこだ」
		「人間を尊敬しているというのも、どうかと思いますけれど…」
		「…あ、本当だ…」
		「今気づきましたのね」
		「自分の阿呆加減にショックを受けている蘇芳は置いておいて、 　お姫さんの好きな言葉は何なんです？」
		「姫は…ええと… 　そうですわ！“早起きは三文の徳”ですわ！」
		「これはこれは…存外普通の諺が好きなんですねぇ」
		「べ、別に良いでしょう？ 　それに、早起きをすると良いことが起きるんですのよ！」
		「おお、だから桃華はいつも早起きなのであるな」
		「はい！毎日頑張っていますわ！」
		「まぁ…俺様たちって別に寝る必要ねぇんだけどなぁ…」
		「蘇芳…そのような無粋なことは言わないで頂けます？」
		「あー悪ぃ悪ぃ」
		「何なんですの！その適当な謝り方！」
		「まったく…喧嘩は余所でやって下せぇ… 　ところで、瑠璃之丞さまはいったいどのような言葉が好きなんです？」
		「ふむ。我は…そうよのう… 　“叩っ斬れぃ!!”はいつか使ってみたいのう」
		「ああ、この間観ていた“じだいげき”の台詞ですねぇ」
		「“与力”のあの方、とてもかっこ良かったですわよね！」
		「うむ。我もあの者のようにびしっと言ってみたいものよ！」
		「叩き斬る…俺様の出番かぁ！」
		「そうであるな。蘇芳、期待しておるぞ」
		「瑠璃之丞さま、調子に乗るんであまりおだててやらねぇで下せぇ」
		「うるっせぇぞ。そんなことより千草ぁ、てめぇはどんな言葉が好きなんだぁ？ 　河童なだけに、河童の川流れーとか言うなよ？」
		「…その通りですが何か問題でも？」
		「…おいおいマジかよ…冗談で言ったつもりなんだけどなぁ…」
		「千草…それはあまりにも自虐的ではありませんこと？」
		「別に冗談でも何でもねぇですよ。 　昔の自分の過ちを繰り返さねぇために、肝に銘じているだけですよ」
		「…そうでしたのね。言葉はどうあれ、立派ですわね！」
		「うむ。よい心がけであるな！」
		「ありがたいお言葉、痛み入りやす」

		「世の中には色んな言葉があるよなぁ… 　それじゃぁ、最後の質問行くぜぇ！」

【敵の中で戦ってみたい相手・戦いたくない相手は？】

		「敵の中で…って、あぁダンジジャーたちのことかぁ？」
		「恐らくそうでしょうねぇ」
		「これは面白い質問であるな」
		「姫は、あの笛の子と戦ってみたいですわ！」
		「桃は前からそうだもんなぁ」
		「ええ、もちろん！戦うからには絶対に負けませんわ！」
		「逆に戦いたくない奴はどうです？」
		「…そうですわね…あの紫の子とはあまり戦いたいと思いませんわね…」
		「あぁ…あの銃持ってる奴かぁ」
		「だってだって！何を考えてるのか分からなくて怖いんですもの！」
		「ふむ…。存外、何も考えておらぬかもしれぬぞ」
		「いつもぼんやりしているようですしねぇ」
		「だなぁ。もしかしたら桃でも指一本で勝てるかもしれねぇぞ」
		「たとえそうだとしても、遠慮させて頂きますわ！」
		「では千草、お主はどうかの？」
		「そうですねぇ…戦ってみたいのは黄色、 　戦いたくないのは緑色ってとこですかねぇ」
		「千草らしいですわね」
		「だなぁ…黄色いのは頭良さそうだし、 　緑色のは千草が苦手なタイプだよなぁ」
		「ええ、まぁその通りですが… 　そう言う蘇芳も緑色は苦手なタイプでしょう」
		「緑色っつぅか、あぁいう熱血っぽいのが苦手だなぁ。 　あの赤いのもダメだ…」
		「意外とああいうタイプは苦手ですわよね。 　見た目暑苦しいのに」
		「おい、桃…そりゃひでぇだろ…」
		「ふむ…では戦ってみたい相手は誰なのだ？」
		「戦ってみてぇのは…あの黒いのかな」
		「あぁ…どこか雰囲気が似てやがりますものねぇ」
		「似てっ…！いやまぁ否定しねぇけどよぉ…」
		「そういえば、ダンジジャーの黒い子も、 　割と影が薄い感じでしたわよね」
		「えぇ。まさか敵にまで同じようなのがいるとは思いませんでしたねぇ」
		「俺様だって思わなかったってぇの！ 　……いや別に！別に俺様は影とか薄くねぇけど！！！」
		「蘇芳…目が据わっていましてよ。少し落ち着いたらどうなのです？」
		「いやおいあのな…！あ、あーもういいや… 　総統はいかがです？」
		「ふむ…我は…そうであるなぁ… 　…そもそも戦うのが面倒であるからなぁ」
		「瑠璃さまの御手を煩わせるつもりはないのですけれど… 　もし、絶対に戦わなければならなくなった場合はいかがなさいます？」
		「そうであるなぁ…かかってくる者がおるのであれば、 　相手をしてやっても構わんぞ」
		「ダンジジャーが全員でかかってきても、 　瑠璃之丞さまの敵ではありやせんけどねぇ」
		「む、千草、油断はいかんぞ。 　その油断が命取りになるのだからな」
		「これは、申し訳ありやせん…」
		「俺様は誰が相手だろぉと油断なんてしねぇけどなぁ！」
		「もちろん、姫だって手加減しませんわよ？」
		「…二人とも黙ってくれやすか？」

		「さぁて、これで全部の質問が終わった訳だが…」
		「結局、何のためのものなのか分かりませんでしたわね」
		「まぁ…だいたい目星はついていやすけどね」
		「あら？そうなんですの？」
		「どうせ、ダンジジャー達なんじゃねぇの？」
		「よいよい。誰の仕業だったとしても、 　楽しい一時を過ごせたには変わりないから良いではないか」
		「瑠璃さまの言う通りですわね。 　細かいことを気にするような姫たちではありませんわ！」
		「それに、もう終わってしまったことですしねぇ…」
		「けどよぉ…ひとつ気になることがあるんだよなぁ」
		「なんですの？」
		「なぁんかこないだから誰かに見られてる気がすんだよ」
		「む？ここには我ら以外おらぬはずであるが… 　誰か堕ちてきたのかの？」
		「なぁんか、そんなんじゃぁなさそうなんすよねぇ…」
		「気味悪いことを言わないで頂けます？」
		「…少し気になるので、探ってみやす。 　何か不具合があったら、結界を強めておきやすんで」
		「うむ。よろしく頼むぞ」

		「さて、少し探りやすか。 　ここは生身の人間が来れるような場所ではないんですけどねぇ… 　まさかあの機械が…？まさかねぇ…」